人を動かす、新たな3原則 (ダニエル・ピンク著) 講談社
人を動かすものはもはや強制的な力ではなくなった。 南アフリカでは、バスが主要な交通手段。 ただ、ドライバーの運転が荒く、交通事故も多い。 死亡事故も多く、その死者の数は、マラリアよりも多い。 そこで、ある研究チームが、こんな実験をした。 バスの窓に、あるバナーを張った。 「危険を感じたら、勇気を持って、運転手にクレームを言おう。」 これによって、乗客自らが、運転手にいちゃもんをつけるようになり、事故率が80%下がったそうです。 いっぽうで、運転手向けに「安全運転を!」と言ってみたところで、まったく改善は見られなかったと。 また、こんな例も。 ある病院では、医師の手洗いを励行してもなかなか洗ってくれない。 「あなたの感染は防げます。手洗いをしましょう。」という表示を張った。 しかし、効果はなかった。 そこで、表示を、「患者の感染が防げます。手洗いをしましょう。」に変えてみると、 医師たちは、ちゃんと手洗いをするようになったそうです。 人が動く動機というものが、この2つの実験から浮かび上がってきます。 人は、自分のために動く動機だけを持っているわけではないんですね。 自分の感染を防げるから、手洗いをしよう、と思う人よりも、患者の感染を防げるなら、 手洗いをしよう。 そう思う医師のほうが多かったというのもそのことを表しています。 人間を動かす動機には、「奉仕」というものがある。 これは何かものを売るときも同じだと言っています。 「アップセル」ではなく、「アップサーブ」しよう アップセルというのは、一度買ってくださったお客様に、次のセールスをすること。 一度買ってくださったお客様には、アップセルではなく、「サーブ(奉仕)」をしようと 言っているんですね。 また、ロバート・グリーンリーフが提唱した「サーバントリーダーシップ」(奉仕リーダーシップ)にも触れ、これからは、「サーバント・セリング」の時代だ!と言っています。 売り込むのではなく、奉仕するセールス。人に奉仕するのが先。 そのあとにお客様が買ってくださる、ということ。 この「奉仕型のビジネス」というのは、もともとは日本の近江商人が「三方よし」として、やっていました。 「売り手良し」 「買い手良し」 「世間良し」 「サーバント商人(世の中に奉仕する商人)」 奉仕するというと、ボランティアのイメージがあるかもしれません。 人に奉仕するだけで、自分は稼げないというイメージがあるかもしれません。 人は「価値」を感じるものには、「対価」を払おうとします。 ただでは受け取らない、受け取りにくいんですね。 「奉仕」と「稼ぐ」というのは、両立します。 「奉仕」⇒「価値の提供」 ⇒「感謝される」 ⇒「対価(お金)をいただく」 コーチ、カウンセラー、セラピスト、ヒーラー、士業、コンサルタント、治療院、サロン、セミナー講師、など、自分の「才能」を「コンテンツ(価値ある商品)」に換えてビジネスをしている個人起業家であれば、今後は、この「サーバント起業モデル」を取り入れていく必要があると思います。 自分の売りたいものをただ単に売り込むだけでは、共感も共鳴も興味も感謝もありません。 自分の才能を世の中に奉仕することに転換させたビジネスは、売り込まなくても、磁石のように自然とお客様が集まりだします。 社会的なメッセージのもとに、濃密なファンが集まり、強力なコミュニティができあがります。
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