ベリルというと、人にとってはあまり馴染みのない名称かもしれないが、エメラルドというと誰もが知っている。
ベリルは和名を「緑柱石」という鉱物で、産出した中の美しいものがエメラルドなどの宝石として扱われている。 和名に「緑」という文字が入っているので緑色だけのように思われがちだが、ベリルは緑色以外にも水色、黄色、金色、ピンク、赤、無色と存在する。 同じベリルの仲間で、エメラルドの次に有名なのがアクアマリン。 鉱物学が発達していなかった頃は、アクアマリンは鉱物名ベリルの名称で呼ばれていた。 エメラルドとは別のものと考えられていた。 ベリル(beryl)は、ラテン語のベリリウス(beryllus)が語源。 昔は様々な色合いの宝石をベリリウムと呼んでいたが、1798年にフランスの化学者ルイ・ニコラス・ヴォークランが、この主成分である金属元素を発見。ベリルにちなんで「ベリリウム」と名付けた。 ベリリウムは軽金属の一種で、飛行機のエンジンやカメラのシャッターなどに使用され、原子炉の原料にもなる。 以来、ベリルの名称は、エメラルド、アクアマリンなどを含む鉱物学的な総称となった。 一説では、アラビア語のバルール(水晶)と関係があるのではないかと言われている。 末期のラテン語では、「拡大鏡」の意味に用いられたそうだ。 15世紀のクサのニコラスという僧正が、次のように書き記している。 「ベリルスは透明な無色の、よく光る石で、凸面にも凹面にもすることができる」。これは無色のベリルをレンズとして使用した記録である。 足利尊氏の眼鏡もアクアマリンと言われている。ドイツ語の眼鏡=ブリレ(brille)は、ベリルが変化したものではないかとも言われている。 暴君ネロもエメラルドの眼鏡を使ったといわれているが、面白い推理と言える。 鉱物学的には、ベリルはアルミニウム、ベリリウム、珪酸の化合物で、クロムやバナジウム、マンガンなどが入り込むと緑やピンクに発色する。主にペグマタイトの中から産出する。 古代よりエメラルドは「不老・不滅・精神浄化のパワーを持ち幸福・幸運をもたらす宝石」として重宝されている。 クレオパトラがこよなく愛し、自ら鉱山を所有していた史実も有名である。
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