健康常識は嘘だらけ
順天堂大医学部教授 奥村 康 著 からのピックアップをご紹介致します! 今回は自分の身体を守る免疫についてご紹介します。 ☆免疫の基本はリンパ球 健康で暮らせるか、病気になりやすいかは、免疫力が強いか弱いかによることが大である。 問題はその免疫力が「気持ちの持ち方」で変わるということ。 ☆免疫力は白血球が担っている。 白血球の中にはマクロファージ(司令塔の役割)、顆粒球、リンパ球がある。 リンパ球は外から侵入したウィルスなどの小さな異物を処理する。 そして、異物を記憶して、二度と侵略されないように対処する。 これが「獲得免疫」と呼ばれ、一度はしかにかかると生涯かからない仕組みで一般に免疫と呼ばれる。 さらにリンパ球は外から侵入した異物に対するだけではなく、ガン細胞など、体内で生まれた異常細胞を処理する。 リンパ球にはT細胞、B細胞、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)などがある。 免疫の本体としては、T細胞.B細胞が多く、リンパ球のうち約8割りを占めている。 T細胞は胸腺(心臓の近くにある。第4チャクラのあたり)で発達したもので、B細胞は、主に腸管系で発達した細胞。 これらの細胞を簡単に説明すると、人間の身体を国に例えれば、国を守る軍隊に当たる。 生まれてきた赤ちゃんは、これらの細胞が完成していないと百日生きることができない。 アフリカなどの後進国ではお母さんの栄養が悪く、これらの細胞が未発達の為に体を守る軍隊が不足して百日生きることができない赤ちゃんが多い。 「百日参り」というのが日本でも古くからあるが、昔から生後百日、丈夫に育てば赤ちゃんが健康に育つということが経験的に分かっていた証拠である。 百日以降、これらの軍隊は生涯にわたって大体安定して続く。 ☆T細胞.B細胞.は年齢にも気分にも左右されない これらの軍隊は、おそらく人間が200歳まで生きても大丈夫なほど長持ちする。 脳や心臓の働きは、大体、100歳くらいになるとガタガタになるが、この軍隊はそれ以上に持つ。 100歳の人にもインフルエンザのワクチンが効果があるのは、これらの軍隊が活発な証拠である。 敵が攻めてくると、まず、B細胞が抗体タンパクのミサイルを打つ。 この攻撃でかなりのウィルスはやられてしまう。 しかし、敵をミサイルだけで全滅させることができるかは疑問で、敵を完全に殲滅する為に、地上軍のT細胞が出動することになる。 我々が平熱の36度前後の時には、これらの軍隊はみんな寝ていて、熱が38〜40度に上がると、マクロファージからの指令で非常事態として、これらの軍隊が出動する。 ☆笑えばNK細胞は活性化する NK細胞は、日常生活の中で自分で簡単に上げられる。 ストレスさえ上手く受け流すことができれば、NK細胞は上がる。 単純に笑えばNK細胞は上がると科学的にも証明されている。 そして、NK細胞を高くしておけば、風邪や帯状疱疹などのウィルス感染も避けることができる。 笑うとその瞬間は頭の中は空っぽになっている。こういう瞬間にNK細胞は活性化すると考えられている。 笑顔を無理に作るだけでもNK細胞は活性化するのでスマイルトレーニングも効果的と思われる。 実際、スマイルトレーニングで間接リュウマチの症状が軽くなったと言う報告もある。 ☆チンタラ運動が身体にはいい 中高年からジョギングを始めるのは要注意! 四十代の人でもジョギング中に突然死を起こすことがあるが、特に朝に多い。 朝は体内のホルモンがまだ目覚めていないので、寝ている状態からジョギングするという急激な変化に体がついていけないから。 特に血圧の高い人は寒さで血管が収縮しているので危険である。 意外であるが、スポーツ選手の方が体の故障も多く、寿命が短い。 世界オリンピック委員会によると「メダリストたちの平均寿命はメダルを取れなかった選手と比べると平均7〜8年短い」という報告がある。 そして、自分自身にノルマをかけて運動するのが最悪でストレスの原因になり、なんの為の運動かわからなくなる。 NK細胞にとって最大の敵はストレスであることを忘れないことである。 あまり一生懸命にならず適度にチンタラと六十代なら一日一時間程度の散歩とラジオ体操程度で十分で、働いていれば通勤時に一駅前で降りて歩くのでもいい。 ☆癌細胞を死滅させるNK細胞 人間の身体は毎日、胃の表面や皮膚などで新しく細胞が分裂して生まれ変わっている。 その数は一日で約一兆個。 その一兆個のうち、約五千個の細胞は出来損ないの細胞となり、この出来損ないの細胞が癌の芽になる。 しかし免疫力が正常に活動していれば、その細胞は撃退されてしまい、癌になることはない。 さらにウィルスなどに感染した細胞も、NK細胞がその不良品を退治してくれている。 ☆NK活性が低いと癌になりやすい NK細胞の攻撃力はだんだんと歳を取ると低くなってしまう。 さらにNK細胞は昼間よく活動し、夜は低下します。 言うなれば歳をとっての夜更かしは、癌の発生率を上げる事に繋がる。 さらに、ストレスが多く、緊張状態が続いたり、リラックスする時間のない方(交感神経優位な人)も活性は低くなる。 ☆癌治療の光明、NKT細胞 この細胞はNK細胞とT細胞の力を併せ持ったリンパ球。 NKT細胞は、活性化して単独で癌細胞を殺したり、転移を抑える力を持っている。 また、NK細胞などに働きかけて、それらの細胞が癌を殺すように仕向ける。 慢性リュウマチなどの自己免疫疾患では、NKT細胞が減少したり、活性が低下する傾向が強い。 また、アレルギー性喘息とも関係しているとも言われている。 NKT細胞は2009年に理化学研究所と千葉大学の共同研究でNKT細胞をiPS細胞を利用して大量に増やす事に成功している。 今後は癌患者のNKT細胞を取り出して培養して癌患者の体内に戻して免疫療法をすると言う事も可能になる。 「健康長寿」の為の生活習慣を 1.若返りの薬よりチンタラ運動で 健康長寿 例えは、ラットなどの動物をできるだけ長く生かそうとする時、生物学者は、そのラットをできるだけ動かさず、身体に入れる栄養を少なくする。 「アンチエイジング治療は危険が大きい。」 アメリカではアンチエイジング治療が広まっている。女性ホルモンを大量投与したりするが、乳がんや子宮がんになる危険性が高くなる。 男性の場合も男性ホルモンを大量投与すると、前立腺がんになる危険性が高くなる。 いまは、性ホルモンを投与して若返り効果を可能にする事もできるが、寿命を縮める可能性が高い。 ☆五十歳過ぎたら運動のやり過ぎは禁物。 運動、食事、頭を使うと言う三つの生活習慣が大切。 五十を過ぎたら真面目にハードな運動をやり過ぎるのは危険性が高くなる。 ☆体育会系出身者の方が寿命が短い 週三時間以上の運動で細胞の寿命が長くなる。 イギリスの大学の調査では、週三時間以上の運動習慣のある人は、運度をしない人と比べて細胞の寿命が九年程度長くなると研究結果を出している。 ☆六十歳を過ぎたら「チンタラ運動」が一番いい。 適当に歩く、適当に気が向いたら軽い運動をする、週に三時間程度を足腰が弱らない程度でやれば大丈夫。 朝三十分歩くだけでセロト二ンが分泌されて脳の活性化もする。 ☆独身者は寿命が短い。 独身者は既婚者よりも5~10年寿命が短いと言われている。 男性は特に高齢になるほど身近に女性がいることが大切となる。 ☆お金と権力への執着が強い人ほど長生きする。 ☆「健康長寿」への七つの習慣 1.食事は何でもほど良く食べる。 2.運動はチンタラやる。 3.いつも能天気に構える。 4.一日一回ワッハハと大笑い。 5.仲間を大切にする。 6.異性に心ときめかせる。 7.早めに寝る。
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